(1)
月が半月の時、暗い部分と明るい部分の境目の線の方向にが目が向いているとする。その時、太陽、月、地球それぞれ
の中心をS、M、E、とすると、月の中心で直角となる三角形が形成される。
(2) 月が半月になる時、∠SEM は直角の (29/30) である。(即ち、直角三角形の∠SEM は 87度である)
下図に彼が太陽までの距離を地球と月の間の距離の何倍になるかを測るために用いたモデルを示す。
角度∠X は正弦月(first quarter moon)の日没時に測れる(正弦月が天頂にあり、太陽は水平線に沈む瞬間)。
アリスタルコスは∠SEM を 87度と仮定、しかし実際には89度50分である。
彼の時代で可能な測定器をもってすれば、この値は最も精度の高いものであったに違いない。
読者は 半月の夕方、日の沈む瞬間、自分の立っている地点 、月の中心、地平線にそれに沈もうとしている
太陽の中心のなす角度 SEM をどうやって測ったのだろうと考えてみては どうでしょうか。
但し、気を付けてもらいたいのはアリスタルコス は晩年失明している。
太陽を直接見ていたせいではないかといわれている。
************************ Aristarchus_00.dwg ************************
太陽、月、地球の大きさと、それらの地球までの距離を次の表に示す。
半径-km(マイル) | 地球の半径に対する比 | 地球までの距離-km(マイル) | 月-地球間の距離との比 | |
---|---|---|---|---|
太陽 | 695,000 (431,945) | 109 | 147e6~152e6 (91.341e6~94.448e6) | ~41 |
地球 | 6,378 (3,964) | 1.0 | ||
月 | 1,737.4 (1,079.8) | 0.273 | 356,749~406,282 (221,000~253,000) | 1.0 |
このモデルでは、月と太陽がX-軸上に来るようにし、地球が月-地球の距離の分だけY-軸で下がるように設定した。
実際のモデルはこのようになる。
************************** Aristarchus_03.dwg **************************
次の図は、月-地球の線からの角度が87度である地球の中心からどのようにして線が引けるかを示す。
アリスタルコスの仮定によれば、緑色の線が月-太陽の線と交差する点が太陽の位置である。
*************************************** Aristarchus_01.dwg ***************************************
アリスタルコスの結論:
"地球から太陽までの距離は、地球から月までの距離の18倍より大きく20倍より小さい。"
月と地球間の平均距離を約 384,400 km (239,000 マイル) とすると、アリスタルコスの結果は、
*************************************** Aristarchus_02.dwg ***************************************
この図面の作成方法:
プログラム Aristarchus_model.lsp を (load "Aristarchus_model") でロードする。
コマンド ラインから (setup_aristarchus) と実行命令をタイプする。
次にウィンドウを2つの水平なビューポートに分割し、月-地球の部分を拡大(ズーム)する。
質問、問い合わせは 筆者 岩本 卓也 宛てにお願いします。
Last Updated July 9-th, 2006
Copyright 2006 Takaya Iwamoto All rights reserved.