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月の運動と現象

全ての天体がそうであるように、月もその極軸の周りに自転している。
また、全ての衛星のように月も惑星(地球)の周りを回る。
しかしこの地上から見ていると、月の運動は実に複雑でいつも我々を驚かすようなな現象をつくりだしている。

自転とその影響

月は自分の極軸周りに自転する:その軸は (地球を回る)公転平面に対して約5度傾いている。
月の自転周期と方向は公転の周期と方向に等しいため、常に月面の同じ側を地球に向けている。
そのようになった理由は 1764年にラグランジュ (Joseph-Louis Lagrange) (1736 - 1813) が示したように
地球の引力の影響で、月の自転速度が減速され地球と同じ速度になったからである。
その論文は フランスの科学アカデミーの懸賞を獲得した。
ラグランジュ はイタリアの チューリン(Turin) で生まれたが父親の家系がフランスの軍人であったため 
フランスの数学者とおもわれている。イタリアの百科事典では イタリアの数学者となっている。若いときは 
チューリンで教育を受けた後 数々の研究成果について オイラーと交友があり オイラーの後をついで 
1766 年にベルリン アカデミー(Berlin Academy) の 数学学部長(Director of Mathematics)に任命された。
そのあと フランス革命真っ只中の 1787年に パリの科学アカデミーの会員となりそこで一生を終え 
パンテオン(Panthéon)に眠っている。
同じ時代に活躍した フランスの数学者 ラプラス(Pierre-Simon Laplace)(1749-1827) 、
ルジャンドル(Adrien-Marie Legendre)(1752-1833)  と並び "3 Big L" と呼ばれている。

公転とその影響

月が地球を回る軌道はほぼ楕円で、その楕円の片方の焦点に地球が位置する。月の運動は西から東で、
これは地球の自転および公転の方向と同じである。
月の公転周期、即ち月が地球を回る周軌道上の同じ点を2度通過する(1周する)時間間隔 は
"恒星月"(sidereal month) とも呼ばれ、その長さは27.32平均太陽日である。

月の公転平面は黄道に対して5度を中間値として20分の範囲の角度だけ傾いている。
月の公転平面と黄道が交わる2点を"交点"(node)と呼ぶ。月が交点(node)に来た時には、
太陽、月、地球が同じ平面上に並び, 相対位置によって、日食や月食が起こることがある。

月の公転によって起る最も一般的なことは月齢の変化である。

月齢

月齢のモデル

この簡単化されたモデルにおいては、

(1) 地球と月が同一平面上にあると仮定する。
(2) 太陽は遠いので月が地球の周りを回る際に受ける
太陽光は均一で平行とみなす。

このモデルでは、12個の月を地球の周りに均等に置く。

観察者は地球の夜の側にいて月の中心を見ているとする。
**********lunar_phase_model.dwg**********

この図面の作成方法:
#1 ファイル lunar_phase_model.dwg をダウンロードし、レンダリングする。
  光の方向のデータは すでに dwg ファイルに埋め込まれている。
#2 AutoLISPを使い
   プログラム lunar_phase.lsp を   (load "lunar_phase") でロードする。
  コマンド ラインから (setup_lunarphase)  と実行命令をタイプする。

これがグローバル座標 (0 0 0) の周りに12個の月を作成する。
地球を表す半径 2.0 の球をこの中心点に加える。
AutoCADで LIGHT コマンドを使い 方向余弦 (0 , 1 , 0) の方向から来る無限遠の光を定義する。
次に RENDER コマンドで図面をレンダリングする。

AutoCADで月齢を描画

プログラム名: Lunar_Phase.lsp

コマンド: Lunar_phase


******************************lunar_phase_screen.dwg******************************

この図面の作成方法:
#1 ファイル lunar_phase_screen.dwg をダウンロードしレンダリングする。
  光の方向のデータは dwg ファイルにある。
#2 AutoLISPを使い
   プログラム lunar_phase.lsp を   (load "lunar_phase") でロードする。
  コマンド ラインから lunar_phase  と実行命令をタイプする。

これがグローバル座標(0 0 0)の周りに12個の月と12個のビューポートを作成する。
地球から見た位置にあるそれぞれの月は拡大して表示される。
下図でビューポートに示した 0 から 11 の番号は、月の位置に対応している。


********lunar_phase_viewport.dwg********

AutoCADで LIGHT コマンドを実行し (0 1 0) の方向から来る無限遠の光を定義する。
次に RENDER コマンドで図をレンダリングする。

月齢のアニメーション

新月から始まる、上弦、満月、下弦、の 月齢アニメーションを見る。

このアニメーションの作成方法:
全部の月がレンダリングされたら、各ビューポートに行き、"SAVEIMG" コマンドをつかって
イメージファイルをBMPフォーマットにセーブする。
例えば、moon_1.bmp, moon_1.bmp, ...,moon_11.bmpのように。
次に、ペイントショップ(PaintShop)を使ってスライドでアニメーションを作成する。

参考文献

  1. Atlas of the SKIES, TAJ Books, p 50-55, 2003.

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質問、問い合わせは 筆者 岩本 卓也 宛てにお願いします。

Last Updated July 9-th, 2006

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