円積問題
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折り紙解--近似

1. 355/113 正方形を作成(芳賀和夫)

下の図面にて、ABCD は正方形の紙である。

 
   円の四角化(円積)は3つのステップで行う。 

1. DABCEの長さが正確にDABCE = 355/113となるような点Eを辺CD上に求める。
   芳賀の定理を繰り返し用いる。
2. 面積 = p/4 (赤線 FGBC) で、 長さ FC = p/4 の四角形を作る。
3. 面積 = p/4 (水色線 PARQ) で、点K が AG の真中になる正方形を作る。
  点P は、B が線分 AD(黄線)に接触するまで回転点K を使い、コーナーB を動かして求める。
  AP は正方形の一辺である。
   K への折り目線は点C と若干外れていることに注意。

***** origami_circle_squarer_desc.dwg ******

Step 1: 点E を求める

 
 1. コーナー点D をAB ("1d")の中間点に移動する。
	CD と BCが交差する点を印する("2d")。
	この点は点C から1/3の距離。
 2. コーナー点D を点"2d"に移動する。
    この点を"3c"とする。
    B と "3c" との距離は 7/9。
 3. 点C を"3c"に移動。
    この点を"4"とし、点B からの距離は16/81。
    この距離を2倍にし(32/81)、その点を"5a"とする。
 4. コーナー点A を"5a"に移動。
    この点を"6"とし、点C からの距離は64/113。
 5. 点C からこの長さの1/4をとり、その点を"E"とする。
   
 長さDABCEは355/113となる。 
 これはかなり正確なpの近似である。

 355/113 = 3.14159292...
    p    = 3.14159265...

******** Haga_circle_squaring_step_1.dwg ********

ここをクリックしてアニメーションを見る。

この図面とアニメーションの作成方法:
   プログラム Haga_circle_sqr.lsp を    (load "Haga_circle_sqr") でロードする。
  次にコマンド ラインから Haga_step_1 と実行命令をタイプする。

ステップ 2: 面積p/4の長方形を作成


***** Haga_circle_squaring_step_2_0.dwg ***** ***** Haga_circle_squaring_step_2_1.dwg *****
 
Haga_circle_squaring_step_2_0.dwg
 正方形に内接する円の面積 = p/4 

Haga_circle_squaring_step_2_1.dwg 
 二つの長方形(緑と水色)で成す長方形は同じ面積を持つ。

Haga_circle_squaring_step_2_2.dwg
 F をDEの中点とすると、
 DE = 4 - p,
	FC = 1 - DE/2 = p/2 - 1 となる。
 よって水色の長方形はFCに揃うように移動できる。

***** Haga_circle_squaring_step_2_2.dwg *****


***** Haga_circle_squaring_step_2_3.dwg ***** ***** Haga_circle_squaring_step_2_4.dwg *****
 
Haga_circle_squaring_step_2_3.dwg
 G をDF の中点とし、DA に平行な線GH を引く。
 
Haga_circle_squaring_step_2_4.dwg 
 DA とGH の間の緑色の長方形の一部分は、水色の長方形と線分GH で作る空間を埋めるために移動できる。
 長方形 GHBC は、面積 = p/4 を持つ。

この図面の作成方法:
   プログラム Haga_circle_sqr.lsp を    (load "Haga_circle_sqr") でロードする。
  次にコマンド ラインから Haga_step_2 と実行命令をタイプする。

ステップ 3: 面積p/4 の正方形を作成

次のステップで長方形と同じ面積の正方形を作る。 幾何学原論の定理13(Prop. 13, The Elements, Book VI ) を用いる。

 
************ Euclid_prop_13.dwg ************* *********** Euclid_prop_13_a.dwg ***********

 
Euclid_prop_13.dwg
 直線AB とBC を与える。
 直径AC の半円ADC を描く。
 点B から線分AC に直角な線BD を引く。
 よって  AB x BC = BD2

Euclid_prop_13_a.dwg
 仮に半円が何らかの理由で描けない場合でも、OB = OD とすれば、点D は定義できる。
 これがそのケースに相当する。

 OB = OD = (1/2)(AB + BC) である。

この図面の作成方法:
   プログラム Haga_circle_sqr.lsp を    (load "Haga_circle_sqr") でロードする。
  次にコマンド ラインから Haga_step_3 と実行命令をタイプする。

参考文献

1. Haga, Kazuo: "Origamics Part I", in Japanese. p. 66-67, 1999, ISBN4-535-78293-8


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質問、問い合わせは 筆者 岩本 卓也宛てにお願いします。

Last Updated Feb 24, 2007

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