阿部恒は1980年にユニークなデリアンの解を日本の学会誌「数学セミナー」に発表した。 その方法は、最近
2003年出版の参考文献(ref.1)で述べられている。
彼は伝統的な日本の折り紙のテクニックを用いている。
折り紙解を説明する前に、先ずプラトー(Plato)のデリアン解に戻ってみる。
この構成法の基本は、三角形OAM, OMN, ONBが近似であること。 (∠AMN と ∠MNB は直角) 従って ON = a .OB であれば OM = a2 .OB OA = a3 .OB ここで比率"a" が判れば、明らかにOB から始まるこれらの 三角形は作成できる。 Ref. 1 では、"a"が与えられていると仮定してプラトーの方法 を逆にたどり、デリアン解が折り紙の鏡像性を用いて得られる ことを示す。 |
O を通る x ,y 座標軸を描く OP = 1 (単位長さ)、 OQ = a (任意の長さ)とする。 Q にて、PQ に垂直な線を引く。 この線は R で x-軸に交差する。 R にて、QR に垂直な線を引く。 この線は S で y-軸に交差する。 |
S を通る横線DD' を引く。 x-軸からの距離が a3 の線FF' を引く。 P を通る縦線AA' を引く。 y-軸からの距離が単位長さの線CC' を引く。 対称線に線分QR を用いて、線AA' と DD' を反射する。 それらは、点P' と S' で線分CC' と FF'にそれぞれ交差する。 これは、点P,S がそれぞれ線分CC', FF' 上に同時にくる時、 線分QR が求まることを意味する。 折り紙でのこの操作は、点P と S がそれぞれ線CC' と FF' 上にくるように、紙の端 AA' とDD' を移動した時達成される。 |
ここをクリックしてアニメーションを見る。
********** Abe_Delian_model.dwg
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この図面とアニメーションの作成方法:
プログラム Abe_Delian_model.lsp を
(load "Abe_Delian_model") でロードする。
次にコマンドラインから Abe_Delian_model と実行命令をタイプする。
(1) 四角形の紙を用意する。四隅は全て正確に90度。
(2) 線分 AF, DG, BJ, HK は、折った跡の折り目線。
(3) 横線の間隔は1単位長さ。
(4) 縦線の間隔は二倍の単位長さ。
(5) 点A が線HK と点B、線DG に重なるように紙を折る。
距離ON(どこ???)は2の立方根である。
注記:MN の延長は、H でAE(BEでは???) に交差するように見えるが、そうではない。
********** Origami_Delian_desc.dwg
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この図面とアニメーションの作成方法:
プログラム Abe_Delian.lsp を
(load "Abe_Delian") でロードする。
次にコマンドラインから Abe_Delian と実行命令をタイプする。
簡単な例を見るには test と test_2 を実行する。
正方形か長方形の紙を用意する。
ここでは長方形のグラフ用紙を用いる。
この例では: OP = 2 インチ、 OS = 1 インチ
結果を正確な値と比べてみる。
OR = 21/3 = 1.2599.., および OQ = 22/3 = 1.5874..
OR = 1.25 ~ 1.3 の間、OQ = 1.55 ~ 1.6 の間の値
折り方は簡単だが、精度は非常に良い。
************* Abe_Delian_test.dwg
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1. Abe, Hisashi: "Amazing Origami" , (in Japanese), 2003, ISBN 4-535-78409-4
質問、問い合わせは 筆者 岩本 卓也宛てにお願いします。
Last Updated Nov 22, 2006
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