この解は、アルキタス(
Archytas of Tarentum, およそ 428 BC-350 BC) が最初に見出した。
ここで注目すべきことは、当時の数学者達が二次元や平面のみの幾何学をやっている時に、三つの回転面の交差による解を見出したことである。
彼は歴史の観点から見てもユークリッド(
Euclid of Alexandria, およそ 325 BC-265 BC) よりもずっと前に "The Elements"
という本を書いている。
下に示す図面では、与えられた長さ AB と AC に関する長さ (AC/AB)1/3
を求める。
線分を求める:
(1) 三つの回転面を点P で合わせる。
(2) 平面ABC に垂直な線分PM を引く。
(3) 点M は円ABC 上に置く。
(4) AC/AP = AP/AM = AM/AB
(5) 故に AC/AB = (AM/AB)3
AB = 1 で AC = 2 ならば AM = (2)1/3
となる。
上記(3) と (4) の幾何学的論証は、参考文献で紹介するヒース(Heath)の Ref.1 を参照されたい。
ここでは、解析幾何学を用いて式を導く。
解析的に三つの回転面は次のように表せる:
(1) 直円錐: x2 + y2 + z2 =
(a/b)2x2
(2) 円柱: x2 + y2
= a x
(3) 円環: x2 + y2
+ z2 = a {x2 + y2}1/2
(1) と (2)から x2 + y2 + z2 = {x2
+ y2}2 / b2 が求まる。
更に(3)を用いて
a / {x2 + y2
+ z2}1/2 = {x2 + y2 + z2}1/2
/ {x2 + y2}1/2 = {x2 + y2}1/2
/ b
もしくは
AC / AP = AP / AM = AM / AB
を得る。
********* Archytas_Delian_model.dwg
********* ******** Archytas_Delian_result.dwg
********
この図面の作成方法:
プログラム Archytas_Delian.lsp を
(load "Archytas_Delian") でロードする。
左側の図:コマンドラインから Archytas_delian_model と実行命令をタイプする。
右側の図:コマンドラインから Archytas_delian
と実行命令をタイプする。
結果の数値を確認
線分AM の長さ {x2 + y2}1/2 の数値を確認。
(2) を (3)に代入
x2
+ y2 + z2 = a ( a x )1/2 -------------------------
(4)
(1) と (4)の右側を式で表すと、x は次のようになる x = {b4/ a }1/3
---------- (5)
(5) を (2) の右側に代入すると
x2
+ y2 = a x = {a2 b4}1/3
よって AM = {x2 + y2}1/2 = {ab2}1/3
である。
y と z の値は次の結果からも計算できる。
y2 = {a2 b4}1/3 - {b8 /
a2}1/3
z2 = {a4 b2}1/3 - {a2 b4}1/3
ここで a = AC = 2 および b = AB = 1 とすると
AM = (2)1/3 および AP = (4)1/3
さらに、 x = (1/2)1/3 、 y2 = (4)1/3 - (1/4)1/3 、
z2 = (16)1/3 - (4)1/3
または x = 0.7937005 , y = 0.9784889 , z = 0.9656298 で、これは点P の3次元座標値である。
半円ABC をx-軸回りに90度回転させる。
半円はABC平面に垂直である。この半円ABC をx-軸回りに90度回転させる。
その結果は、内径がゼロである円環の4分の1に等しくなる。
この円環の方程式は: x2 + y2 + z2 = a {x2
+ y2}1/2
****************************** torus_90_deg.dwg
******************************
この図面の作成方法:
プログラム Archytas_Delian.lsp
を (load "Archytas_Delian") でロードする。
次にコマンドラインから torus_2views と実行命令をタイプする。
曲面オブジェクトを分解する。境界線は別々になる。 "END" osnap コマンドで点P を指定する。
********************************* explode_find_point_p.dwg
*********************************
LIST コマンドを実行すると、次の値がテキスト画面に表示される。
POINT Layer: "0"
Space: Model space
Handle = 663
at point, X=0.79370053 Y=0.97848890 Z=0.96562987
********** point_of_intersection.dwg
**********
1. Heath, Sir L. Thomas:"A History of Greek Mathematics", VOL. 1, From Thales to
Euclid., Dover.
質問、問い合わせは 筆者 岩本 卓也宛てにお願いします。
Last Updated Nov 22, 2006
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