立方体の倍積問題
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折り紙による解

準備--芳賀の定理 - I (ref.1)

机の上に正方形の紙を置く。辺AD の中点に印をする。
紙の片方の隅(B)を掴み、点E へ合わすようにもって行き、下の図に示すようにFG を結ぶ想像線に沿って指で押さえながら折る。
芳賀和夫 (Ref.1) は、図に示すように、結果がおもしろい分数をいくつも発生することに気付いた。

一番小さい分母から始め、作られる分数線分の長さは
1/3 , 2/3, 1/6, 5/6, 1/8, 3/8, 5/8 であることに注目。
1/2 から1/3,1/6,3/8のように分数が得られるのは非常におもしろい。

この結果は、1979年に日本の数学ジャーナルに芳賀の定理"Haga's Theorem"として発表された。
それ以来さらに2つを作ったので、これを芳賀は参考文献ref.1にて芳賀の定理"Haga's theorem 1"と呼んだ。
 
 芳賀の定理とは:
	正方形の片方の隅が対する辺の分数点に位置するとき、
	この折り方はいくつもの分数値を作り出す。
1/2以外の場合で分数を見つけるためには、簡単なコンピュータのプログラムが必要である。そのモデルを次に示す:
******** Haga_theorem_1_sample.dwg ********

この図面の作成方法: 
  プログラム Haga_number.lsp を(load "Haga_number") でロードする。
  次にコマンドラインから Draw_Haga_1 と実行命令をタイプする。

  最後のテキストの表示は手動で行って下さい。
  将来は自動的にできるようにします。

一般的な場合

 
 AE = x とすると、
		y1 = (1 + x)(1 - x)/2 

		y2 = 2x /(1 + x)

		y3 = (1 + x2)/(1 + x)

		y4 = (1 - x)2/2

		y5 = 1 - y2

******** Haga_theorem_1_general.dwg ********

y1-y5 を次の図に示す。

1/2, 1/3, 1/4 の x 値に関しては、
実際の点は点印で表示する。

y1 = y2 を与える x の値は、おもしろいことに
その方程式の解である:
x3 + x2 - 3x - 1 = 0

この図面の作成方法:
   プログラム Haga_number.lsp
     (load "Haga_number")
でロードする。
  次にコマンドラインから Draw_Haga_number と実行命令をタイプする。

  x の増加値 = 0.001
********** Haga_number_graph.dwg *********

 
  The result of computation up to denominator value 10 is shown below.
	*******	Haga's Number List *******

	 x      y1       y2       y3       y4      y5	
   -2-
	1/2      3/8     2/3       5/6      1/8    1/3
   -3-
	1/3      4/9     1/2       5/6      2/9    1/2
	2/3     5/18     4/5     13/15     1/18    1/5
   -4-
	1/4    15/32     2/5     17/20     9/32    3/5
	3/4     7/32     6/7     25/28     1/32    1/7
   -5-
	1/5    12/25     1/3     13/15     8/25    2/3
	2/5    21/50     4/7     29/35     9/50    3/7
	3/5     8/25     3/4     17/20     2/25    1/4
	4/5     9/50     8/9     41/45     1/50    1/9
   -6-
	1/6    35/72     2/7     37/42    25/72    5/7
	5/6    11/72   10/11     61/66     1/72   1/11
   -7-
	1/7    24/49     1/4     25/28    18/49    3/4
	2/7    45/98     4/9     53/63    25/98    5/9
	3/7    20/49     3/5     29/35     8/49    2/5
	4/7    33/98    8/11     65/77     9/98   3/11
	5/7    12/49     5/6     37/42     2/49    1/6
	6/7    13/98   12/13     85/91     1/98   1/13
   -8- 
	1/8   63/128     2/9     65/72   49/128    7/9
	3/8   55/128    6/11     73/88   25/128   5/11
	5/8   39/128   10/13    89/104    9/128   3/13
	7/8   15/128   14/15   113/120    1/128   1/15
   -9-
	1/9    40/81     1/5     41/45    32/81    4/5
	2/9   77/162    4/11     85/99   49/162   7/11
	4/9   65/162    8/13    97/117   25/162   5/13
	5/9    28/81     5/7     53/63     8/81    2/7
	7/9    16/81     7/8     65/72     2/81    1/8
	8/9   17/162   16/17   145/153    1/162   1/17
   -10-
	1/10  99/200    2/11   101/110   81/200   9/11
	3/10  91/200    6/13   109/130   49/200   7/13
	7/10  51/200   14/17   149/170    9/200   3/17
	9/10  19/200   18/19   181/190    1/200   1/19

この一覧表の作成方法:
  プログラム Haga_number.lsp を(load "Haga_number") でロードする。
  次にコマンドラインから List_Haga_number と実行命令をタイプする。
  分母の一番大きい値を入力(この場合 10)
  出力ファイル名はテキストのファイル名は"Haga_number.txt"

次の章では、x = 73/100 に関する y1 の値の計算が必要。
このような例の場合は、コマンドラインから haga_1 を実行して処理できる。

入力・出力の例

 
 Command: haga_1

 Denominator ?:100

 Numerator   ?:73
   Haga's Number List

  x         y1              y2             y3            y4          y5
 73/100 4671/20000       146/173     15329/17300       729/20000  27/173

2. 芳賀和夫の折り紙解 (ref.1)

このRef.1 では、正方形の紙を折って、辺の長さ(15329/20000)を作り出す方法を示す。
ここをクリックしてアニメーションを見る。

ABCD は正方形の紙。
ステップ 1: C が点E にくるように折る。辺CD は点f で線分AB に交差する。 Af を二分する点F を求める。
ステップ 2: C が点F にくるように折る。折り曲げ線は点g でCB と交差する。 Bg を50 %伸ばし、点G を定義する。
ステップ 3: D が点G にくるように折る。折り曲げ線は点H でCD と交差する。
LISTコマンドを使って線分AH のプロパティーを得る。
 
 from point, X=0.00000000  Y=0.00000000  Z=0.00000000
   to point, X=0.76645000  Y=1.00000000  Z=0.00000000
      Length =1.25993873,  Angle in XY Plane =     53
      Delta X =0.76645000, Delta Y = 1.0, Delta Z =0.0

AH3 = (1.25993873)3 = 2.0000841
長さ AH = 1.25993873 は 21/3 = 1.259921...の非常に良い近似値である。
********** Origami_Delian_2_desc.dwg *********

この図面とアニメーションの作成方法:
  プログラム Haga_Delian.lsp を(load "Haga_Delian") でロードする。
  次にコマンドラインから Haga_Delian と実行命令をタイプする。

参考文献

1. Haga, Kazuo: "Origamics part - I" , (in Japanese), 1999, ISBN 4-535-78293-8


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質問、問い合わせは 筆者 岩本 卓也宛てにお願いします。

Last Updated Jan 09, 2007

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