立方体の倍積問題
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ギリシャの数学者達による立方体の倍積

ニコメデス(Nicomedes)のコンコイド

ニコメデス(Nicomedes)は、デリアン問題を解くためにコンコイド(Conchoid)と呼ばれる曲線を発明した。
これは、線分FK が線分CZ 上の点H を通り、HK = CF を満たしながら x-軸を切断するようなX-軸上の点K を求めるのに用いられる。

この方法は、角の三等分法でのアルキメデスやパップス、その他多くのギリシャの数学者が用いた"Verging"(neusis)と似ている。

コンコイドを用いた解

 
 四角形ABCLを作る。 D と E は AB と BC の中点。

 x-軸上に G を作るように LD を伸ばす。x-軸に EF を垂直に伸ばし CF = AD とする。
 CZ をGF に平行に描く。 HK = CF となる x-軸上の点K を選択する。 
 このような点が特殊曲線コンコイド("conchoid")とx-軸との交点。 
 この曲線は F が棒"pole"で、CZ が目盛り"rule"、CF が距離"distance"の時に描かれる。 
 別のやり方では、辺上に長さ CF を印した定規を使い、FK の位置を見つける(verging,or neusis process)。

 点K が見つかったら、線分KL を延長してy-軸上の点M を作る。

 その時 AM = {AB.BC2}1/3 で CK = {AB2.BC}1/3 となる。

コンコイド("conchoid")を使った方法を見るにはここをクリックしてアニメーションを見る。
******** Nicomedes_Delian_desc.dwg *******

この図面とアニメーションの作成方法: 
  プログラム Nicomedes_Delian.lsp  を (load "Nicomedes_Delian") でロードする。
  次にコマンドラインから test_0 と実行命令をタイプする。

neusis(verging)を使った解

一つの方法としては、角の三等分法でアルキメデスやパップス、その他多くのギリシャの数学者が用いたテクニックneusis (verging)を用いる。
一つの印が線分CZ 上で、もう片方は定規が点F を通る時にx-軸上へくるように、長さCF に印した定規を置く。
この操作は反復操作。

この図面とアニメーションの作成方法: 
  プログラム Nicomedes_Delian.lsp  を (load "Nicomedes_Delian") でロードする。 
  次にコマンドラインから Nicomedes_Delian と実行命令をタイプする。

AM と CK が解であることの証明

 
 ヒース(Heath)の証明:

 最初のステップでは MD = FK を見せる。
 E は BC を二分することから、
 	BK.KC + CE2 = KF2  である。
 (注記: (a + b) (a - b) = a2 + b2 )
 EF2 を両側に追加
	BK.KC + CF2 = KF2					(1)
 AL は GK に平行であるから、 CL も MB に平行。
	MA / AB = ML / LK = BC / CK
 しかし AB = 2 AD で  BC = (1/2)GC である。
 故に MA / AD = GC /CK = FH / HK そして MD / DA = FK / HK 
 ここで DA = HK である、従って MD = FK となる。

 D は ABを二分するため、 MD2 = BM.MA + DA2
 MD = FK であるから(1)と合わせると
	BM.MA + DA2 = BK.KC + CF2
 しかし DA = CF; よって BM.MA = BK.KC
 そして 		CK/MA = BM/BK = LC/CK,  
 ところが三角形では MAl と MBK, 	BM/BK = MA/AL
 従って
	LC/CK = CK/MA = MA/AL
 または	AB/CK = CK/MA = MA/BC

 それ故 AM = {AB.BC2}1/3 および CK = {AB2.BC}1/3


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質問、問い合わせは 筆者 岩本 卓也宛てにお願いします。

Last Updated Nov 22, 2006

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