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後世の円の求積

デカルト(René Descartes)

デカルト( René Descartes, 1596 - 1650) は解析幾何学の有名な始祖で、 p の値の測定に多角形法を用いた。 円に内接および外接する多角形の周囲を計算する代わりに、 彼は周りの長さを固定し、その辺を多角形が円に近づくまで倍加した。

 
 図面から、n辺の多角形の周囲(L)は
	L = n.AB = 2 n r tan(q/2)			(1)
 辺をk倍に倍加すると ( 2k)
	L = 2 n 2k r tan((q/2)/2k)	
	  = n r 2k+1	tan(q/2k+1)			(2)
 デカルトは n = 4 、q= p/2 から始めた
 そこで 	L = 4 r 2k+1	tan((p/2)/2k+1) 
	  = (2r) 2k+2 tan(p/2k+2)
 両サイドを 2r(直径) で割ると、
	L/(2r) = 2k+2 tan(p/2k+2)			(3)
 左側は直径に対する周囲の比率である。
 
 よって k が大きくなれば p の値に近づく。
 または p は 2k+2 tan(p/2k+2) の極限値である。	(4)

******** Descartes_pi_model_base.dwg ********

デカルト(René Descartes) のGraphical solution


******** Descartes_circle_square_model.dwg ********

 
 (3) から
	xk = 2r = (L/2k+2)cot(p/2k+2)		(5)
 デカルトは (5) が次の再帰方程式の正の根であることに気付いた。
 	xk(xk - xk-1) = x02/4k			(6)
 但し L = 4x0 である。
 そこで xk-1 とした時、これは xk に関する二次方程式である。
 これは Xk を代入して証明される、更に xk-1 は
  cot(q)  に関し上記(6)で表されるので、余接(cotangent)の倍角方程式を使うと、   
		cot(2q) = (cot2q - 1)/(2 cotq)
 となる。

  (6) 図の解釈は次の通り:
 単位長さの正方形を作る。
 B B1 C1 C' が正方形の面積の1/4となるような点B1 とC1 を求める。
 次に面積 B1 B2 C2 C1' が四辺形 B B1 C1 C' の 1/4 となる点B2 と C2 を求める。
 等々...

 このプロセスでは、長さABi  (i = 1,2,3,....) は周囲が常に(4 x0)で外接する多角形の直径である。
 従って、辺の倍加の段階での p の概算値は4をこの直径で割れば得られる。

デカルトの結果


***************** Descartes_circle_square_desc.dwg *****************

この図面の作成方法:
   プログラム Descartes_pi.lsp を    (load "Descartes_pi") でロードする。
  次にコマンド ラインから Descartes_pi と実行命令をタイプする。

 
    	このプログラムによる結果は次の通り:
	ステップ25で小数点15桁まで正しい。
 
      ステップ	近似値
	
	1 	3.31370 84989 84761
  	2 	3.18259 78780 74528
  	3 	3.15172 49074 29256
  	4 	3.14411 83852 45905
  	5 	3.14222 36299 42458
     	6 	3.14175 03691 68967
  	7 	3.14163 20807 03182
  	8 	3.14160 25102 56809
  	9 	3.14159 51177 49589
  	10 	3.14159 32696 29307
     
	11 	3.14159 28075 99644
   	12 	3.14159 26920 92255
  	13 	3.14159 26632 15408
  	14 	3.14159 26559 96197
  	15 	3.14159 26541 91394
   	16 	3.14159 26537 40194
  	17 	3.14159 26536 27393
  	18 	3.14159 26535 99193
	19 	3.14159 26535 92143
 	20 	3.14159 26535 90380
    
	21 	3.14159 26535 89939
	22 	3.14159 26535 89829
 	23 	3.14159 26535 89801
 	24 	3.14159 26535 89795
  	25 	3.14159 26535 89793	 --> 小数点15桁まで正しい
     

参考文献


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質問、問い合わせは 筆者 岩本 卓也宛てにお願いします。

Last Updated Feb 17,2007

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