アルキメデスの方法を下図に示す。
証明: AC と OB は平行であるから
  ∠ADO = ∠DOB
三角形 AOE と AED は二等辺三角形であるから
  ∠ADE = ∠EAD
また ∠AOE = ∠AEO = 2 ∠ADE = 2 ∠DOB
従って ∠DOB = (1/3)∠AOB
************************* trisect_Archimedes_1.dwg
*****************
この図面とアニメーションの作成方法:
プログラム neusis.lsp を (load
"neusis") でロードする。
次にコマンド ラインから neusis_1 と実行命令をタイプする
点A(a,b) を中心とする円の方程式: (x-a)2 + (y-b)2 = a2 + b2 直線 AC : y = b 直線 OD : y = tanα x = mx 直線 OD が 円、直線 AC と交わる点を E(x1,y1), D(x2,y2) とすると (ED)2 = (1 + m2)(x1 - x2)2 = a2 + b2 ∠AOB = π/3 , AO = 1 とすると a = 1/2, b = √3/2 となり m についての4次方程式がえられる。 f(m) = m4 - 4√3 m3 + 6m2 + 4√3 m - 3 = 0この図面の作成方法:
tan α α( ° ) m1 = -0.83909963117728 -40.0000000000° m2 = 0.36397023426620 20.0000000000° m3 = 1.73205080756888 60.0000000000° m4 = 5.67128181961771 80.0000000000°この図面の作成方法:
(m - √3)(m3 - 3√3m2 - 3m + √3 ) = 0 これから m3 - 3√3m2 - 3m + √3 = 0 この式は tan 関数の 3倍角公式から導かれるものであることを示そう。この図面の作成方法:
sin と cos の角度の和の公式は sin(α + β) = sinαcosβ + cosαsinβ cos(α + β) = cosαcosβ + sinαsinβ これを使うと tan(α + β) = sin(α + β)/cos(α + β) = (tanα + tanβ)/(1 - tanα tanβ) 従って tan2α = 2tanα/(1-tan2α) そして tan3α = (tanα + tan2α)/(1 - tanα tan2α) = (3 tanα - tan3α)/(1 - 3tan2α) これを展開してまとめると 最終的に 次のようになる。 (tanα)3 - 3(tanα)2tan3α - 3(tanα) + tan3α = 0 m = tanα と置くと mこの方程式を 解くと次の3個の解が得られる。3 - 3(tan3α)m2 - 3m + (tan3α) = 0 三等分しようとする 角度が 60° の場合は tan3α = √3 であるから 三次方程式は次のようになる。 F(m) = m 3 - 3(√3)m2 - 3m + √3 = 0 これは 上述の挿入法で導かれた 多項式と同じものである。 参考のため F(m) のグラフを下に示す。
Y軸の値は 10分の1 に縮小している。
tan α α( ° ) m1 = -0.83909963117728 -40.0000000000° m2 = 0.36397023426620 20.0000000000° m3 = 5.67128181961771 80.0000000000°この図面の作成方法:
三等分の証明 : ∠EAD は 90 ° であるから、 3 点 A、D、 E は直径が ED の円上にある。 EDの中点を M とするとM が その円の中心点である。 従って AM = (1/2)ED = AO = EM = MD だから ΔAOM と ΔMDA は、どちらも二等辺三角形である。 見方を変えると Aを中心に 半径 AO の円と直線 ODの交点がM である。 これは アルキメデスの挿入方(#1) と同じ結果になる。 従って 直線 OD は ∠AOB の三等分線である。
この図面とアニメーションの作成方法:
プログラム neusis.lsp を (load
"neusis") でロードする。
次にコマンド ラインから neusis_2 と実行命令をタイプする
直線 AF : x = a ; 直線 AC : y = b 直線 OD : y = tanα x = mx 直線 OD が 直線 AF ,ACと交わる点を E(x1,y1), D(x2,y2) とすると (ED)2 = (x1 - x2)2 + (y1 - y2)2 = 4(a2 + b2) x1 = a, y1 = ma; x2 = b/m, y2 = b であるから (a - b/m)2 + (ma - b)2 = 4(a2 + b2) ここで (b/a) = tan(3θ) と置き換え 、上の式を整理すると F(m) = (m + tan3θ)(m3 - 3tan3θ m2 - 3m + tan3θ ) = 0 となり、 m についての4次方程式がえられるが (m + tan3θ) = 0 が 解でないことは 明白であるから 、三等分の方程式は f(m) = m3 - 3tan3θ m2 - 3m + tan3θ = 0 であたえられる。
3θ = π/3 のとき この式は m3 - 3√3 m2 - 3m + √3 = 0 となる。 これは アルキメデスの挿入方(#1) の場合と全く同じものである。この4次方程式 F(m)=0 の根を見つけるために 先ず m = -2 から 6についてグラフにする。
tan α α( ° ) m1 = -1.73205080756888 -60.0000000000° m2 = -0.83909963117728 -40.0000000000° m3 = 0.36397023426620 20.0000000000° m4 = 5.67128181961771 80.0000000000°この図面の作成方法:
三次方程式は アルキメデスの挿入方の場合と同じであるが 参考のため F(m) のグラフを下に示す。この方程式を 解くと次の3個の解が得られる。
Y軸の値は 10分の1 に縮小している。
tan α α( ° ) m1 = -0.83909963117728 -40.0000000000° m2 = 0.36397023426620 20.0000000000° m3 = 5.67128181961771 80.0000000000°
三等分する角度 ∠CAD = 60 ° であるから AD = BC =1, AB = CD = √3 , AC=2.0 である。 xy = ab = √3 の双曲線を 緑色で示す。 点D を中心として半径 4.0 の円との交点を G とする。 G から BCに垂線を下ろした点 が F である。 AF が ∠CAD の三等分線である。この図面の作成方法:
左図に示すように 双曲線と円の交点は 4個あることがわかる。 それは挿入法の解が 4次方程式の根であることからも推測できる。 その 4個の解は m1 = -60° m2 = 140° = (360/3)° + 20° m3 = 20° m4 = 260° = (720/3)° + 20° である。 m1 は無意味な解であるので m2, m3, m4 が三個の解である。この図面の作成方法:
アルキメデスの方法を下図に示す。
アルキメデスの挿入法(#1) の
上下を逆にすると このモデルになる。
この図面とアニメーションの作成方法:
プログラム neusis.lsp を (load
"neusis") でロードする。
次にコマンド ラインから neusis_3 と実行命令をタイプする
1. Yates,Robert Carl : "The Trisection Problem", NCTM, 1971.
2. Heath,Sir Thomas L. : "A History of Greek Mathematics", Vol. 1, Dover, 1981.
質問、問い合わせは 筆者 岩本 卓也 宛てにお願いします。
Last Updated Nov 22, 2006
Copyright 2006 Takaya Iwamoto All rights reserved.