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追跡曲線の話題


楕円の場合--Isochrones, Isoclinal Trajectries

このページにあるアニメーションのリスト(ハイパーテキストをクリックするとアニメーションがみられます。)
ここにもどるにはブラウザーの"Back" ボタンを使う。

楕円上の点からスタート - 1
Y 軸上からスタート

i
楕円上の点からスタート - 2
一般の点を選んだ場合

i

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これは追跡者が楕円上の点からスタートして、逃走者が楕円の片方の焦点から楕円の中心へ逃げる場合である。
相対速度を (a/c) に設定し、a は長半径、c は原点から焦点までの距離とする。


*********************** pursuit_ellipse_desc.dwg ***********************

追跡者は点"A" (-a , 0) または点"B" (a , 0)から出発し、同時に逃走者は原点へ向けて逃げる。
追跡者が逃走者の (a/c) 倍の相対スピードで追いかけたとすれば、原点"O"で逃走者に追いつくのは明白である。
しかし追跡者が同じ楕円上の他の地点から追いかけるとしたらどんなことがおこるだろうか?
追跡者が点"C" (0, b)からスタートする場合を示す。

ここをクリックしてアニメーションを見る。

この図面とアニメーションの作成方法:
   プログラム pursuit.lsp を   (load "pursuit") でロードする。
  次にコマンド ラインから pursuit_ellipse  と実行命令をタイプする。
********* pursuit_ellipse_1_end1.dwg *********

驚きましたか? おそらく指定した点は特別な点だったのかもしれませんね。それでは、楕円上の別の点を試してみましょうか。

もう一つの例は ここをクリックしてアニメーションを見る。

この図面とアニメーションの作成方法:
   プログラム pursuit.lsp を   (load "pursuit") でロードする。
  次にコマンド ラインから pursuit_ellipse  と実行命令をタイプする。
********* pursuit_ellipse_2_end.dwg *********

"これは偶然ではない。もし追跡者が楕円上の任意の点からスタートするとしたら、 常に座標原点(0 0)で餌食に追いつくはず"
 と多くの人は考えているとおもいます。
その推測が正しいことを次のセクションで示します。

このことは、次のように記述できる:

もしP が楕円上の点からスタートし、T が楕円の一焦点からスタートすれば、P は常にT を同じ点、楕円の中心で捕まえる。
これらの曲線は"Isoclinal Trajectories"(Iso-->same, clinal-->inclination)と呼ばれる。

下図における軌跡に沿った点印は、単位時間20に相当する20個の短線分ごとに印した"P"の位置を示している。

長軸に関する相似比を計算するための線分AB 上の点データを使用することで楕円が描ける。
図で判るように、全て同時間の点がそれぞれの楕円上にあるのはおもしろい。

これらの楕円を"Isochrones ellipses"(iso-->same , chrones -->time) と呼ぶ。


*********************** ellipse_isoclinal.dwg ***********************


********************* ellipse_isochrones.dwg *********************

もう一つのおもしろい結果:

これらの軌跡は非常に短い線分からなる。各楕円を通る線分を延長するとこれらの線分は線AB と交差する。
その交点が楕円の焦点である。これを次の図に示す。


* ********************* ellipse_isochrones.dwg ********************

数学的背景

この数式化は直線運動の場合と非常に似ている。(即ち逃走者が直線上を走る場合)
その違いは、標的はy-軸 ( x=0 線 )を上り下りし、追跡者は楕円上の任意の点から追跡しはじめることである。

この図面とアニメーションの作成方法:
   プログラム pursuit.lsp を   (load "pursuit") でロードする。
  次にコマンド ラインから pursuit_ellipse
 と実行命令をタイプする。

参考文献

  1. Wells, David: The Penguin Dictionary of Curious and Interesting GEOMETRY. London,England: Penguin Books, p.67 & 201, 1991.(Out of print)

  2. Cohen, Abraham : An Elementary Treatise on Differential Equation. D.C.Heath and Co. p 173 & 326,1933.

  3. Simmons, George F. : Differential Equations with Applications and Historical Notes. McGraw-Hill, p. 52-58,1972.


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質問、問い合わせは 筆者 岩本 卓也 宛てにお願いします。

Last Updated July 9-th, 2006

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